My memorable place
[私の思い出の場所]

フラワーメイト 池田興治さん ~思い出は語りつくせないあっという間の50年~

 1973年7月7日のオープンから50周年を迎えました。当時私は24歳。長崎市内で店を出したいと思い、現在地で飲食店を営んでおられた前オーナーのもとを訪ねました。店舗を売りに出していましたが、中華料理店だったため厨房が使えず断念。その後前オーナーが店を洋食店に切り替え、私を探しに来てくれました。しばらくして「フラワーメイト」という店名共々譲り受けました。

右から、店主の池田興治さん、妻の紀佐子さん、長男で二代目の兼一さん。兼一さんは本学の経済学部出身です。


 オープンから9年後、長崎大水害が発生しました。水道は止まったものの、店自体に大きなダメージはなく2日後に再開。大変な状況の中、食事を提供することが使命だと思い、2軒隣のお宅から井戸水を分けてもらってカレーを仕込みました。するとたくさんの方が食べに来てくれました。
 店にコピー機やインベーダーゲーム、ジュークボックスを置いていた時期もあります。2階が焼肉屋だったことも。その時代に合わせて、店もメニューも変わっていきました。形を変えながら今でも残っているメニューは、フラワーランチやチキンスパ、オムライスなどです。お客さまそれぞれにお気に入りの定番メニューがあるので、どれも削ることができません。

人気メニューのトルコライスとオムライス。学生客の中には「最初に食べた時の感動を伝えたい」と、後輩20人分のオムライスをオーダーした強者も。
トルコライス
チキンスパ

50年はあっという間でした。かつて学生だった常連さんが久しぶりに来店してくださったり、バイト生のみんなから記念品をいただいたり、たくさんの方がフラワーメイトを愛してくださってありがたいですね。
店を続けて来られたのは私が健康だったから、そして運も良かったんでしょう。「美味しいものを提しているからだよ」と言ってくれる息子と、今は一緒に厨房に立っています。お客さまのために、“私の味”ではなく“フラワーメイトの味”を、これから先にもつないでいって欲しいですね。

現在のビルに建て替える以前の旧店舗前にて。興治さんとまだ幼い娘さん。