My memorable place
[私の思い出の場所]

伯水楼 白水 洋幸さん ~たくさんの出会いに恵まれた40年~

 長崎大学の東門を出て10分もかからない場所に、私の店「伯水楼」があります。
開店は1982年。当初から、長崎大学の皆さんにはご贔屓にしていただいています。でも実はここは、近所に大学があることを知らずに決めた物件でした。第一候補だった物件が埋まってしまったため、現在の店舗に入ることにしました。蓋を開けてみると、たくさんの学生さんや先生が食べに来てくれる店になりました。
 人気メニューは肉チャーハンです。オープン後しばらくして、四川丼をメニューに入れてみたら、これも大当たりでした。うちの店は盛りの良さが有名ですが、味も他には負けていませんよ。ちなみに大盛りになったのは、私が細かい計算が苦手だからです。材料が少し残るくらいだったら入れてしまえ! これを続けているうちに、いつの間にか大盛りになりました。

肉チャーハン
四川丼

 アルバイトしてくれた長崎大学の学生さんは、40年で延べ100人にはなるでしょう。多い時期は15人くらいが交代で働いていました。コロナ禍以降は出前がなくなったので、今は2、3人です。出前といえば、以前は長崎大学の学食は17時で閉まっていたと思います。水産学部の学生さんが会合をする時に、学食まで出前したこともありました。
 バイト生の中には個性的な学生さんもいまして、店にトイレ用のスリッパを履いてきたので、その日はきつく叱りました。皆さんのことを、私は自分の子どものように思っています。だから厳しいことも、遠慮なく言わせてもらいます。昔はバイト生と店で忘年会やマージャンもしました。バイト生のお父さんに店の内装工事をやってもらったこともありますし、経済学部生の頃に働いてくれていた方のお嬢さんが、食べに来てくれたこともありました。また、来店した学生に「誰かいい人いない?」と恋愛相談をされて、お客さんと来ていた学生を紹介したこともありましたね。その後二人は結婚することになり、結婚式には店を閉めて私も出席しました。今はお子さんが3人いるお父さん、お母さんになっています。いい思い出です。 
 私も74歳になりました。店を続けられるのも、あと10年でしょうか。卒業生の皆さん、私が元気なうちに顔を見に来てください(笑)。 

ジェームズ・ディーンのポスターを貼った店内は開店当初のままの雰囲気
名物マスターの白水洋幸さん