Feature[特集]

何が分からないのかに気付く機会を提供

特集 2023/04/28

情報データ科学部の特徴的な講義のひとつが、学生が企業や自治体とと協力しながら課題の解決を目指す実社会課題解決プロジェクト。北村 史 助教は指導内容の設計や、事業者と学生をつなぐ立場として携わっています。
「データの分析やプログラミングなど、学外の事業者の方と一緒に中長期のスパンで挑む課題は、本物の課題であり、社会的な実践です。そうした外に開かれた学びは、学生にとって貴重な機会となるはずです。授業を通して何かを達成することも大切ですが、自分に足りない部分や何が分からないのか気付くきっかけにしてほしいと考えています。
情報データ科学部は多彩な専門分野の教員が指導しているので、分からないことはどんどん質問してほしいですし、学びへの前向きな姿勢を身に付けてほしいですね」。

学生がチームで課題に取り組む中で、どのようなアドバイスをされていますか

「自分の役割というのは、チームのメンバーとの関係性で決まるものです。リーダー役が得意だから偉いわけではないし、人の意見をフォローし続ければよいわけでもありません。チームが前に進むための最善の役割を探してほしいと思います。情報を調べるのが得意とか、誰も気付かない問題点を指摘できるとか、そういうのも立派な役割です。また、「コミュカ」が高いとか低いとか言いますが、コミュニケーションには人それぞれの方法があります。自分らしい方法で相互にちゃんと関わり合えているかが重要です」。

グループごとに企業や自治体と連携しながら課題解決を目指す実社会課題の解決プロジェクト。2年次までは必修科目で、3年次以降は選択科目となります。
どうアドバイスすれば学生たちの議論が盛り上がるのか、指導方法について常に考えています」と語る北村先生。学生が自ら議題に気付く過程を大事にしています。

以前から北村先生はコミュニケーションについて研究しているそうですね。

「長年取り組んできたのは芸術系のワークショップで、アーティストと子どもが関わることで互いにどのような影響を及ぼすのか、創造性が生まれるのかを研究しています。情報データ科学部らしくはないかもしれませんが、人との関わり合いの中での学びや成長というテーマで考えると、実社会課題解決プロジェクトにも多くの共通点があります。いずれにせよ、学生と双方向で意見を交わし、一緒に考える授業が自分に合っているというか。今後も授業の中で、学生自らスイッチが入り本気になれるのを後押しできればと思います。」

北村 史 助教 / KITAMURA Fumito

早稲田大学人間科学部卒業。同大学院人間科学科博士課程単位取得後退学。同学術院助手を経て2015年より長崎大学大学院教育イノベーションセンターに着任。2021年より現職

担当講義

実社会課題解決プロジェクトA、B 、C、D(情報データ科学1~4年)/ 芸術活動と社会(教養教育)
/ 身体関係論(教養教育)

北村先生より一言

医療や交通、観光、通信など、データを扱う領域は幅広く、情報データ科学部で学んだ知識はさまざまな分野で生かすことができます。学外の事業者と積極的に交流する中で、その手応えや、自分が関心を持てる分野を見つけてほしいです。