Saiyu Fund
[西遊基金]

亡き父の名を母校に遺す

西遊基金 2024/11/01
村岡 雄一郎さん

 私の父・村岡陽一郎は、1966年に長崎大学経済学部を卒業しました。卒業後、野村證券に入社し、最終的にふるさとの佐賀を拠点に仕事をしていたものの、74歳の時に出張先で急逝しました。父の死によって、父が全力で生きたことに対して共感・尊敬の念が湧きました。何かの形で遺す方法を模索していたところ西遊基金の存在を知り 寄附者の名前を銘板に刻んでいただけるということで、父の名前で寄附を始めました。
 父は大学では特待生だったようで、私が小学生のころ、 奨学生手帳らしきものを見た記憶があります。当時実家は経済的に余裕があったとは言えず、奨学金給付で非常に助かったでしょう。その恩恵は次世代の私も受けたと言えます。かつて父が恩恵を与った長崎大学には、今度は父に代わり私がお返しする番と思っています。
 2年前に文教キャンパスを訪ねましたが、 片淵キャンパスは今回が初めてです。60年前に、とても洒落た校舎と趣のある土地で父が学んでいたことを想像できます。父が私に長崎大学へ来るように呼んだのだろうと思うと感慨深いです。
 出来る限り父の名前での寄附を継続する予定ですが、 日本の学生のために使って欲しいと思っています。自分の得意をとことん伸ばしエッジを立て、 将来社会に貢献していかれる学生の支援に使っていただければ嬉しいです。父は父の人生を一生懸命頑張って生きたので、 同じような志のある方に使っていただければ供養にもなるでしょう。

今回、お話を伺うために片淵キャンパスにお迎えしました。母校や縁ある先へも寄附を続けられているそうです。「お金は道徳心を持って動かすべきで、お金をどう使うかは人生そのものと思っています」。
経済学部を卒業したころの村岡陽一郎さん上京前に母と撮影した1枚
西遊基金の銘板には、今回寄附された村岡陽一郎さんのお名前も顕彰されています。