Saiyu Fund
[西遊基金]

西遊基金~奨学金が支える夢、長崎での充実した学びと留学生活~

西遊基金 2024/07/01

マレーシア出身のバーラティ・カツミさんは、多文化社会学部の3年生。「葉國璽(ようこくじ)」私費外国人留学生奨学金制度を活用し、学業に励んでいます。今回は学生広報スタッフの私が、友人でもあるカツミさんにお話を伺います。

まず、留学先として長崎大学を選んだ理由を教えてください。

カツミさん 私にとってもう一つのルーツである日本の文化や自然に小さい頃からすごく興味がありました。なので、大学生活は、日本で送りたいと思い、挑戦しようと思いました。長崎大学を選んだのは、長崎には中国やオランダとの交易の歴史があるので、長崎大学にも多様性を受け入れる環境があり、留学生も充実した学生生活を過ごせると思ったからです。また、日本の戦争の歴史や長崎の原爆について深く知ることで、戦争によって学ぶ機会を失った人々のことを知り、学べることへの感謝が強くなっていくのではないかと思いました。

長崎出身の私は、早くから平和学習が身近にありました。こうして海外から長崎の被爆の歴史に関心を持ってもらい、同じ学部で一緒に学べるのが嬉しいです。多文化社会学部ではどのようなことを学んでいますか。

カツミさん 西田充教授のゼミ(国際公共政策コース)で学んでいます。外交や核軍縮、安全保障などの国際問題について、英語と日本語の両方を使って議論をするのが楽しいです。ゼミでは核兵器や東アジア周辺国の核の危機について議論しますが、私は東南アジアから来たこともあって少し難しいと感じることもあります。でも、核の傘の下にある日本で、日本人の友人たちと日本に身近な問題について考えたり、議論したりすることは新しい経験でとても意義を感じています。

        国際学寮ホルテンシアで、ルームメイトの誕生日パーティをしました。
留学を踏まえて将来の夢や目標はありますか。

カツミさん 留学前は戦争の歴史や原爆について深く知りませんでしたが、長崎に来てから、被爆者の体験談や、長崎出身の友人から小・中学校で行われている平和教育について教えてもらうなどして、長崎のことを学んできました。また、同世代であるウクライナからの学生との交流も、長崎大学に留学したから得られた経験です。マレーシアは、核保有国ではありませんし、長崎のような経験もしていません。今後も長崎にいるからこそ得られる知識、国際的な考え方を深めていきたいです。そうして将来は、世界の人道的な問題に取り組む政策や外交に携わりたいと思っています。マレーシアの大使館や核軍縮に関わる国際機関にも興味があります。

私も奨学金をいただいて留学した経験があります。留学先で何をするのか、目標を明確にするきっかけにもなったのですが、カツミさんはいかがでしょうか。

カツミさん 1年生の時に経済的な不安が強く、指導教員に相談に行きました。アドバイスをいただく中で、私も奨学金をいただいて経済面の不安が少なくなれば、安心してより勉強に集中できるのではないかなと思いました。「葉國璽」私費外国人留学生奨学金は2年間いただいています。実際、勉強にさらに集中できるようになりました。私費留学生の私にもチャンスを与えてくださった葉先生にとても感謝しています。将来は、葉先生のように社会に恩返しできるような人になりたいと思います。残りの2年間の大学生活も頑張りたいです。

                                       多文化社会学部3年 
                                  平部 桃子(ひらべ ももこ)さん(写真:左)

※この記事は学生広報スタッフが執筆しました。